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雨の街のテル

連載途中のコミック (52 / 144ページ完成)

本編

1

​かつて、この街には
1400万の人々が住んでいたという。

2

​はぁ、はぁ……
やっと割れた。

3

​現在の人口、多分1人。

​トム、起きてるんだろ。
そろそろ出てこいよ。

4

​ぷは〜、よく寝た。
もう着いたのかよ。

​食べ物、
食べ物〜。

5

​テル、こっちに
猫の絵がついた
袋があるよ!

​袋入りの食べ物は
ダメだよ、腐ってる
かもしれないから。

​缶詰だけ
持って行こう。

​やっぱり?

​テル!

​警官だ!
隠れなきゃ!

6

7

​…………。

​……テル、
あいつら行った
みたいだよ。

8

​西の大陸から流れ込んだ分厚い雨雲は
明るい太陽を覆い隠し
凍える人々は姿を消した。

彼らがこの街に残していったのは
僅かな食料と消し忘れの電灯
そして不気味な機械たちだけだった。

​あ、トムと
人間だ。

​おかえりー。

9

​僕ちょっと友達に
挨拶してくるよ。

​ああ、
わかった。

​しっかし、お前も
物好きだよなぁ。

​そうそう。
なんで人間なんかと
つるんでるんだよ。

​今時「飼い猫」
なんかやってるの、
お前だけだぜ。

​そうだよー、
今となっては僕は
貴重な存在なんだ。

​テルは
この街で最後の
人間だから……

​つまり僕は
最後の飼い猫
って事さ。

​ふぅん。
まぁ頑張れ。

10

​トム、
おいで。

​あの、皆さんも
良かったら……

​あ、お構い
なく〜。

​そうですか、
それでは……

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12

​……ねぇ、
テル。

​なに?

​缶詰食べるのも
ちょっと飽きて
きたなぁ。

​……そうだね。

13

​テルの歳ならちょっと
ぐらい漢字が書けても
いいはずなんだがなぁ。

​うるさいなぁ!
そう言うお前は
字が書けるのかよ。

​猫の手では
ペンは持てま
せぇん。

​……もう
寝よっか。

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15

​少し雨脚が
弱くなってきた
かな……

​ん?

​人影だって?

16

​そりゃ警官の
見間違いじゃ
ないの?

​集団じゃなくて
一人で歩いてたんだ。
あれは人間だよ!

​この街にもまだ
居たんだ!

​危ないよ、
こんな所を
進んで。

​いいんだ、
それより早く
外に出ないと。

17

​うわああ
ああああ‼︎

​ほら、言わん
こっちゃない。

​いてて……
時間を食った。
急がないと。

18

​あ……

19

​やばい、やばい、やばい、
やばい、やばい………‼︎

​あぐっ‼︎

20

​テル……!

​この地域は危険区域に
指定されました。

​終わった。

​住民の皆様には
避難命令が発せ
られています。

​直ちに避難して
下さい。

​僕もみんなと
同じように……

​南方に連れて
行かれる……‼︎

​当該住民に
抵抗の兆候あり。

21

​強制移送のため、
あなたを拘束
させて頂きます。

​………。

​…………?

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24

25

​攻撃者を発見。
不明な武器が使用
されました。

​対処法を
検索……

26

​しㇺ……

​アアアアアア
アアアアア‼︎

27

28

​な……何が
起こったんだ?
あいつは一体……

29

​ひっ!

​……………。

​あ、あ、
あの……

​き、君は、
その……

​あ……

30

​人間だ。

​………。

​お前、怪我は?

​い、いや……
あ、ありがとう。

31

​……じゃ、俺は
先を急ぐんでな。

​あっ……
ちょ……

​ちょっと待って‼︎
もう行っちゃうの⁉︎

​他の人間に
会ったのはすごく
久しぶりなんだ!

​もっと話を
聞かせてくれ
ないかな?

​……何だよ。

​君の持ってる
それは武器……
なんだよね?

​警官4体を一瞬で
やっつけたけど……
一体どんな仕掛けが?

​お礼もしたいし、
良かったら僕の
所に来ない?

​………。

32

​……あ、いきなり
ごめん。僕はテル
って言うんだ。

​こっちは
白猫のトム。

​は、初めまして。

​……俺の名前は
タスクだ。

​この武器が何なのか
気になるか。

​教えてやっても
いいぜ。

33

​おや、珍しいのう。
どこからおいでなすったのかね、
そこの    。

​ああ、こいつ確か……
カズミん所にいるガキですよ。

​……そうか、じゃ、
お前の名前は今日から
テル、だ。

​僕の……名前?

​カズミ、お前、
自分のガキに
何やってるんだ!

​いいのよ!
こうするのが   の
ためなんだから!

34

​この場所の事は絶対に
誰にも秘密だぞ、テル。

​うん、お兄さん。

​テル、逃げろ‼︎

​……う、うーん。
そうじゃな、それはきっと
わしらが大人だから……

​お前さんはまだ
子供だからのう……

​   、おいで。

35

​どうぞ入って
下さいな。

​ビル…の裏口?
変な所に住んで
るんだな。

​正面玄関は
大通りに面してて
危ないから……

​なるほど……

36

​あ……

​ち、ち、
違う、違う!

​ん?
エレベータに乗る
んじゃないのか?

​そ、そっちは
地下に行く
エレベータだから!

​地下には何も
無いから!

​あ、ああ……
そうかよ。

​本当だよ!
本当に何も
無いからね!

37

​ほら、こっち
こっち。

​わかったから
引っ張るなよ。

​早くボタン
押してくれ。

​ほほー、こりゃ
いい眺めだ。

38

​部屋は沢山余って
るから、どこでも
好きに使って。

​何か要る物が
あったら
言ってね。

​変な奴……

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​ま、待ってー!
歩くの早いよ!

​僕のうちで待ってて
くれても良かった
のに……

​食料集めに
行くんだろ?

​一緒に運んだ方が
早く済む。

​だ、大丈夫かな、
こんな開けた道を
堂々と歩いて……

​公道を歩くのに
誰に遠慮する必要が
あるんだ。

42

​やっぱ閉まってるな。
扉を壊さねぇと。

​少し待ってて、
僕が何か重そうな
物を探し……

​び、びっくり
した……

​開いたぞ。

43

​ちょっとこの店で
一休みしようぜ。

​え?

44

​なにこれ、
良い香り……

​これは
紅茶。

​こう…
ちゃ?

​ああ、保存状態の
良い茶葉が残ってて
助かった。

​ふぐっ!

45

​テル、遠慮
した方が……

​いや、でも
折角だし……

​あん?

​おいしい。

​それは
良かった。

​ほら、おいしいよ。
トムも一口
飲んでみなよ

​えー、やだよ!
そんな得体の
知れない……

​あー、猫には
やらない方がいい
んじゃねぇかな。

​これカフェイン
入りだし。

46

​……いや、俺はこの街の出身
じゃないぜ。ここよりずっと
北の地方から来たんだ。

​タスクのいた所には
まだ人がいるの?

​居たのなら、
旅には出なかった
かもしれないな。

​地元以外の事は
正確にはわから
ないが……

​もう、ここより北に
人間は一人も残って
ないんじゃないか。

​やっぱテル
みたいな人間は
珍しいんだな。

​みたい
だね。

​どうする〜?
僕まで街から
居なくなったら。

​ん…?

​別にどうも。
野良に戻る
だけだよ。

47

​またまたぁ、
お前に野良猫が
つとまんの?

​……。

​バカにするなよ、
僕だって昔は……

​……あれ、
どうかしたの?

​え、い、いや、
別に何も……

​?……

​その反応、
まるで大人たち
みたい……

​もしかして、
君も猫の言葉が
わからないの?

​猫の……
言葉…?

​そ、そうか……
タスクには聞こえて
なかったんだ……

​僕、てっきり
……

48

​子供ならみんな
猫の言葉がわかるって
わけじゃないのかな?

​この街には
お前以外にも
居たのか?

​動物とお話し
出来る子供が。

​あっ、僕のこと
疑ってるでしょ!

​猫たちは本当に
しゃべってるんだよ!
君には聞こえないかも
しれないけど!

​わかった、
わかった。

​ククク。
信用されてない
みたいだなぁ。

​そうだ!

​僕たちがちゃんと
会話出来ているって事を、
今から証明して見せるよ。

​証明…?

49

​トム、その場で
三回まわってニャン!
って言うんだ。

​はぁ?

​僕はれっきとした猫だぞ。
そんな犬みたいな真似が
出来るか。

​ちょ、ちょっと〜!
こういう時に協力して
くれないと困るよ〜。

50

​これはな、
“日本刀”というんだ。

​にほん…とう?

​200年以上前に
使われなくなった
古い鉄の剣さ。

​この一本は俺の家に
昔からあったやつでな。

​いっぽん?

​それで、その
武器には何か秘密の
機能が?

​は?
そんなんじゃ
ねぇよ。

​ただ、警官どもには
こんな年代物の武器への対処法は
記録されてないって事さ。

51

​奴らは所詮機械だからな。
未知の武器が相手だと途端に
ぎこちない動きになるんだ。

​その隙に外装が弱い部分を
切ればショートして壊れる。
狙いやすいのは首だな。

​なるほど
なぁ。

​あ……ウワサを
すれば。

​よし、テル。奴らを
少し間引いてやるか。

​え、何するの?

52

​警戒態勢!
警戒態勢!

​不明な武器の
使用を検出!

​現在攻撃を
受けています!

​あっはっはっは!
どうだ、命中したぞ。

連載途中のコミック (52 / 144ページ完成)

これまでの進行度から算出したこのコミックの完成予想日 1月16日ごろ 連載開始日: 5月31日   最終更新日: 8月22日   完成率: 36.1%

Estimated completion date of comic calculated from the current degree of progress Around 16th January Production started: 31st May   Last updated: 22nd August   Progress: 36.1%