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雨の街のテル

連載途中のコミック (24 / 144ページ完成)

本編

1

​かつて、この街には
1400万の人々が住んでいたという。

2

​はぁ、はぁ……
やっと割れた。

3

​現在の人口、多分1人。

​トム、起きてるんだろ。
そろそろ出てこいよ。

4

​ぷは〜、よく寝た。
もう着いたのかよ。

​食べ物、
食べ物〜。

5

​テル、こっちに
猫の絵がついた
袋があるよ!

​袋入りの食べ物は
ダメだよ、腐ってる
かもしれないから。

​缶詰だけ
持って行こう。

​やっぱり?

​テル!

​警官だ!
隠れなきゃ!

6

7

​…………。

​……テル、
あいつら行った
みたいだよ。

8

​西の大陸から流れ込んだ分厚い雨雲は
明るい太陽を覆い隠し
凍える人々は姿を消した。

彼らがこの街に残していったのは
僅かな食料と消し忘れの電灯
そして不気味な機械たちだけだった。

​あ、トムと
人間だ。

​おかえりー。

9

​僕ちょっと友達に
挨拶してくるよ。

​ああ、
わかった。

​しっかし、お前も
物好きだよなぁ。

​そうそう。
なんで人間なんかと
つるんでるんだよ。

​今時「飼い猫」
なんかやってるの、
お前だけだぜ。

​そうだよー、
今となっては僕は
貴重な存在なんだ。

​テルは
この街で最後の
人間だから……

​つまり僕は
最後の飼い猫
って事さ。

​ふぅん。
まぁ頑張れ。

10

​トム、
おいで。

​あの、皆さんも
良かったら……

​あ、お構い
なく〜。

​そうですか、
それでは……

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12

​……ねぇ、
テル。

​なに?

​缶詰食べるのも
ちょっと飽きて
きたなぁ。

​……そうだね。

13

​テルの歳ならちょっと
ぐらい漢字が書けても
いいはずなんだがなぁ。

​うるさいなぁ!
そう言うお前は
字が書けるのかよ。

​猫の手では
ペンは持てま
せぇん。

​……もう
寝よっか。

14

15

​少し雨脚が
弱くなってきた
かな……

​ん?

​人影だって?

16

​そりゃ警官の
見間違いじゃ
ないの?

​集団じゃなくて
一人で歩いてたんだ。
あれは人間だよ!

​この街にもまだ
居たんだ!

​危ないよ、
こんな所を
進んで。

​いいんだ、
それより早く
外に出ないと。

17

​うわああ
ああああ‼︎

​ほら、言わん
こっちゃない。

​いてて……
時間を食った。
急がないと。

18

​あ……

19

​やばい、やばい、やばい、
やばい、やばい………‼︎

​あぐっ‼︎

20

​テル……!

​この地域は危険区域に
指定されました。

​終わった。

​住民の皆様には
避難命令が発せ
られています。

​直ちに避難して
下さい。

​僕もみんなと
同じように……

​南方に連れて
行かれる……‼︎

​当該住民に
抵抗の兆候あり。

21

​強制移送のため、
あなたを拘束
させて頂きます。

​………。

​…………?

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