全14話 R-15 2006-2011 完結済

グレー・ワールド

第14話 朝

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グレー・ワールド

第14話 朝

猫分儀スミレ

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……………

…………!?

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灰色だ………。
何もかも。

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あの人たちは迎えに?

ううん、自分で出ていく。
その方が良いからって。

そっか…。

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…………。

はーい?

ガネジリさんが…

おはようございます、
ウィスティ様。

ガネジリさん。
今日はどうして?

いえ、以前ご依頼
頂いていた品がやっと
出来上がりまして。

これです。

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各省から保有分を
集めるのに手間
取っていて…

遅くなってしま
いましたが。

これ、アルバム…。

ガネジリさん、
とても嬉しい
んですけど…

今これを頂いても、
外に持って行ける
わけじゃ…。

………

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確かに……………
あなたにとって、
この世界はただの夢
なのかもしれません。

そのアルバムも朝になれば
消えてしまうのかも。

ですが……

ここであなたが学んだこと、見つけたもの。
それらはみんな、本物の思い出として
現実のあなたに残るのではないでしょうか。

…そうですね。

ありがとう…。

大事にします。

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ねぇ、メリッサ。

うん?

ずっと昔……
まだ小さい頃。

あなたが突然、
お料理を作ってあげる…
って言い出した
ことがあったよね。

ふふ。よく覚えてるね。

そんなこともあったかな。

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その時あなたが作ってくれ
たのが…丁度こんな感じの
トマトスープだった。

でも、はっきりとは
思い出せないの。

あれが本当はどんな
味だったのか……。

そんなの……

本人に、また作ってもらって
確かめればいいじゃない。

……………。

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それじゃ……

さよなら…
かな。

ううん。

これからも、
ずっと一緒だよ。

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ウィスティ!

ウィスティ様!

あ、ありがとう
みんな…

誰の仕業です、
これは。

わ、私たちでは
ありませんぞ!

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そう、だれの命令でもない。
みんな自分の意志で
この場所に来たのニャ。

総て迷いは流れ去り、
もう彷徨うことはない。

お前自身が、今ここに
いるようにニャ。

よぉ、ウィスティ。

また会えましたね。

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鍵はもう開いてる。

さ、行け。

その前に、一つだけ
教えてくれませんか。

なんニャ?

今朝から突然世界が、
こう…灰色に
なってしまって……

しかも誰も気付いて
ないみたいだし……
これはもしかして…。

そう、世界はずっと
こうだった。

変わったのは
お前自身ニャ。

でも信じられません。
こんなに見え方が
変わるなんて…

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お前が行くと決めた道の
先には、新しい世界がある。

そこはここより、
もっと沢山の人や出来事…
色彩が溢れる場所ニャ。

次のステップを見据えたとき。
今いる、この小さな世界が
急に色褪せて見えただろう。

それは同時に、新しい世界を
受け入れるための心の扉が
開いた証でもあるのだ。

だがニャ、ウィスティ。

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この場所で見つけた大切なもの。
来る時とは重さが変わったバッグ。
それを無くしてしまわない限り、
この小さな灰色の世界の記憶は
決して無駄にはならない。

それを忘れるな。

ひゃっ、寒い!

ああ、開けた!
開かずの扉を開けた!

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ウィスティ様、
大丈夫ですか?

大丈夫!
私は平気です!

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ウィスティ様ー!

お元気でー!

さようならー!

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あ……。

………

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ウィスティ…!

もう、そのくせ
相変わらずなんだから!

ご、ごめん。

あは、あはは。
嬉しくて…つい、ね。

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あ……

おはよう、メリッサ。

………うん。

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おはよう、ウィスティ。