全14話 R-15 2006-2011 完結済

グレー・ワールド

第3話 心の中

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グレー・ワールド

第3話 心の中

猫分儀スミレ

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ここは…
どこだろう?

…教えてあげる。

こうして…

…………

メリッサ?

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メリッサ?
メリッサ?
どこへ行ったの?

ぐっ!!

うぐっ!!

いやっ!

苦しいよ!

やめて…

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何か面白い本は見つかったかい
ウィスティちゃん。

あ、はい、トーシェンさん。

あんたも大変だねぇ
メリッサちゃん。

そ、そんな事
ないですよ!

ウィスティさんは一体
何を探してるんですか?

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あら、あんた
知らなかったのかい。

ええ。

何でも、夢を
見るそうだよ。

そう。それが忘れち
まった昔の記憶じゃ
ないかって…

それで「夢」に
ついての本を色々
と読んでるのさ。

大変なん
だなぁ…

何か良さそうなのは
ありましたか?

う〜ん……ん?

『絵筆を片手に失われた
 記憶を探る』…?

どんな本なのかな?

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文字が…!

あらま!

キャ━━━━━━!!

あんた!
換気扇、換気扇!

いやいや、すまんかったねぇ。
大丈夫かい?

え…は、はい。

でも、どうして?

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不良品だったみたいだねぇ。
時々あるんよ。

まっしろ…。

本の中身、
なくなっちゃった…。

あー、しまった。

その本、今在庫が
ないみたいなんよ。
申し訳ないねぇ…。

すぐに注文
するから、
待っててね。

あら、この本…

この本の著者のジョセフ・メノウって
私の知ってる人です。
直接訪ねて文句言ってみますよ。

そうかい、なら
そうするといい。

でも、どうして文字が
飛んで行ったりしたの?

ああ、ああいうのは
インクの不出来で
起こるんだ。

本に印刷された
文字も、所詮は
「記憶」だからね。

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「記憶」というのは揮発性
ですから。繋ぎ止めておく
力というのが必要なんです。

???

オー、大戦の英雄よ!
よく来た。

もう、その呼び方は
止めてってば。

ハハ、ごめんごめん。
そして、こちらが…

ウィスティです。

ジョセフ・メノウです。
お久しぶりですね、殿下。

大きくなったなぁ。
いくつになった?

14よ。私と同い年
なんだから。

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……そう、僕らは大戦で
一緒に戦った仲間だった。

もう昔の話さ。今は剣じゃなく、
絵筆を握るのが僕の仕事なんだ。

「大戦」って
何の事ですか?

クネノマヤとアミトエナが
戦った戦争のことだ。

アミトエナ?

そう。クネノマヤと
対をなす国、アミトエナ。

数年前、アミトエナの軍が
我が国に侵攻。激しい戦闘が
何年も続いた。

それで……
どうなったんですか?

もちろん、我々の勝利に終わったよ。
メリッサの活躍によってアミトエナの
入り口は封印され、脅威は去った。

さて、
本題だが………

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イメージを膨らませることは、
心の中の風景を見ること。
自分の内面を覗くことなんだ。

己の心に潜り込む。
深い、深いところへと
降下していく。

絵を描く人だけじゃないよ。
人はみんな、それを
無意識におこなってるんだ。

ある特別な
場所に行った時にね。
その場所とは…

夢!

その通り。君はきっと、
無意識に自分の心に潜り、
記憶の断片に出会ったんだ。

でも今は、ウィスティ。
意識して、降りてみよう。
君が夢で行った場所へ。

夢下に広がる大空に…

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メリッサ?

…一つ教えてあげる。

こうして…

こう!

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これが、あ……

なんだ、せっかく
うまくいってたのに。

はいはい、今行きますよ。

うるさいなー
今開けるってば。

これ、私ですか?

うん。

!?

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わ──!!

貴様ら、何者だ!

あ、お前は…!

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あれがエイリアスか。

だな。

周りのスプライト
に気をつけて。
危険な相手だ。

メリッサ、殿下を!

はい!

コゴイ・ウロイエ!
鎧よ動け!

ウィスティ様を
お守りしろ!

行くぞ!

 よし!

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ウィスティ様、逃げましょう!

は、はい!

さぁ、こっちへ!

!?

あの絵の中へ!

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大丈夫。敵はすぐには
入ってこれませんから。

???

!!

なぜ…!?

こっちです、ウィスティ様!

彼女らがこの絵
の向こうに…

ちくしょう、
どうなってんだ!

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また絵が…。

この中へ!

一体どうなってるの!?

大戦時代、
非常時のために絵の中に
脱出口を作ったんです。

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大丈夫ですか?

うん。

さぁ、行きま…

ウィスティ様、下がっていて下さい。

は、はい!

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ウィスティ様!

私に力をお貸し下さい!

メリッサ…!

!!

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ハッ!

いっ…

!?

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メリッサが…二人?!

ぐっ!

ウィスティ様!

なんで?なんで…?

ウィスティ様、ダメ!!

ああ!

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ぐはっ!

メリッサ!

は!

…!

ウィスティ様!

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キャッ!

ウィスティ様!

ウィスティ様ー!!

うりゃ!!

ハ!

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エドワード!

よし、行こう!

ロボット、
鎧を破壊しろ!

エイリアスを回収!

させるか!!

わ───!!

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………。

キャ────!!

さぁ、逃げるぞ!

はぁ、はぁ…

!!

ウィスティ様!

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ウィスティ様!

ウィスティ様…!

メリッサー!助けてー!

…………

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おおっ、成功したか!

全く、大した想像力だよ。

こんなに苦労
させられるとはな。

ウィスティちゃん。
久しぶりだね、会えて嬉しいよ。

!?

もっとも、君は私の事など
覚えていないだろうが。

ポートを開こう。

…ごめんね、
ウィスティ。

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いっ…

イヤ…!

イヤ━━━━━ッ!!

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わ!

何だ!?

うわ───!!

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助かった。

何だこれは!

わからん!
とにかくポートへ!

む…

ウィスティ様ー!!

追っ手が来るぞ!

くそ!
行こう!

ロボットがまだ…

ダメだ、もう
あきらめよう!

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…………

ウィスティ様!

メリッサ!

ああ、ご無事で良かった!

ぐふっ

この地割れ…
ウィスティ様が?

さ、さぁ…

見ろ!

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機械の体から
文字が…

複雑な機械も、呪文の組み合わせに
過ぎないってことですよ。

ちっ、近づいて平気か?

もう死んでいる。
大丈夫だろう。

不思議な機械だ…。
まるで生き物だな。

溶けていく…
文字になって。

こんな怪物を、言の葉
で作り上げるとはね。
奴らは一体…。

あれ、この文字…

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アルファベットだ!

ウィスティ様、この文字を
見た事があるんですか?

う、うん。
…あれ?

奴ら、アミトエナ人だろうか?

いや…あんな連中は
見た事がない。

とうとう全部溶けて
なくなってしまった…

さっきの女の人……
メリッサと瓜二つだった。

あの人は一体…